Thermo-electric Modules

サーモモジュール

テクノロジー

技術情報

サーモモジュールは、ペルチェ素子、または熱電素子とも呼ばれる半導体ベースの電子部品であり、コンパクトで効率の良いヒートポンプとして機能します。直流電流を流すと、サーモモジュールの片側からもう片側へと熱が移動します。したがって、サーモモジュールの一面が冷却されると同時に、反対の面は加熱されます。
また、直流電源の極性を入れ替えると、この現象が逆転し、今度は逆方向に熱の移動が発生します。従って、サーモモジュールは、使用条件に応じて、冷却および加熱のいずれの目的にも使用することができます。一般に、サーモモジュールは、Bi 2Te3(ビスマス・テルル)を材料とするN型、P型の2種類の半導体素子によって構成されています。半導体素子は、電気的には直列に、熱的には並列に接続され、メタライズされた2枚のセラミック基板に接合されています。
セラミック基板は、堅牢な構造を提供すると同時に、半導体素子を電気的に隔離し、平面かつ平行な接触面を形成します。サーモモジュールに使用されるBi2Te3材料であるN型とP型の半導体素子はともに、熱を一方向のみにしか移動しませんが、電流は上部基板から下部基板へ、または下部基板から上部基板へと両方向に流れます。
N型半導体は、電子過多に調製され、P型半導体は電子欠乏に調製されています。N型の過剰電子とP型の電子欠乏による正孔は、キャリアとして機能し、Bi2Te3材料内で熱エネルギーを運搬します。熱流 ─ サーモモジュール内部で発生する熱の移動 ─ は、直流電流の大きさに比例します。入力電流を0から最大の間で制御することにより、熱流とサーモモジュール内の温度差を精密に調整・制御できます。弊社のサーモモジュールは、通常、7〜128カップル(対)ありますが、391対を超えるものもございます。カタログ中で最大動作電流は1.2〜36Aですが、これ以外の製品もご用意することが可能です。

サーモモジュールは、複数個並列接続して吸熱量を増加させることも、多段カスケードを構成して温度差を増加させることもできます。
サーモモジュールには可動部が無い為、信頼性が高く、事実上メンテナンスフリーです。同等の能力を持つコンプレッサーなどと比較して、コンパクトかつ軽量のうえ、静粛性の点でも優れています。しかしながら、サーモモジュールがすべてのサーマルソリューションに理想的なわけではなく、ヒートシンクなどによるシンプルな放熱対策が有効なケースもあります。他方、サーモモジュールによる電子冷却が適切なソリューションとして利点となる場合も多々あります。
サーモモジュールは、雰囲気温度を下回る冷却 ─ いわゆるアクティブ・クーリング ─ が可能であり、この点でヒートシンク単体による冷却と大きく異なります。ソリッドステート構造によって高い信頼性が約束されているため、装着後の保守整備が困難なシステムへの使用にも適しています。動作中のノイズは少なく、電気的干渉も無視できるレベルになっています。
特定要件に合致したサーモモジュールを選択する際には、サーモモジュールを使用するシステムを総合的に検証する必要があります。ほとんどの場合、標準品で十分に対応可能と思われますが、過酷な熱的、電気的、機械的その他の要件に対応する場合は、カスタム品が要求されることもあります。弊社は、できるかぎりスタンダードサーモモジュールの使用をお奨めいたしますが、カスタムデザインの開発および製造も行っており、技術サポートや分析を通じてお客様のニーズを正確に満たす製品を提供しております。
ほとんどの場合、冷却システムのパフォーマンスは複数のパラメーター*と密接に関連しており、パラメーターによって変化します。
特定の要件に関して、適切なサーモモジュールの選択の判断が難しい場合は、弊社までお問い合わせください。

* アプリケーション毎に固有のパラメータを持ち、サーモモジュールの放熱面(Th)の温度に影響を及ぼします。特性データはサーモモジュールの特性を4つの重要なグラフで表します。

ΔT = 0°C ΔT = 10°C ΔT = 20°C ΔT = 30°C ΔT = 40°C ΔT = 50°C ΔT = 60°C ΔT = 70°C ΔT = 80°C

Qc vs. I 線図

このグラフは、サーモモジュールの固定Th(放熱側温度)における吸熱量(Qc)(単位:W)とさまざまな温度差(ΔT)における入力電流(I)の関係を示しています。このグラフにより、導入を検討しているサーモモジュールが要件に合致しているかどうかを判断することができます。

V vs. I 線図

このグラフは、さまざまな温度差における電流の生成に必要な電圧を示しています。まず、Qc vs. I線図に基づいて適正電流を確認し、ΔTを算出し、適切なサーモモジュールを選択した後にこのグラフを参照して、必要な電源を決定することができます。

Qh vs. I 線図

このグラフは、特定のThレベルにおいてサーモモジュールから放出される熱(Qh)(単位:W)と電流レベル(I)の関係を示しています。Qh量は、Qc(吸熱量)とV(I 総消費電力)の総和です。

COP vs. I 線図

このグラフは、入力電流に対する成績係数(COP)とΔTの関係を表しています。COPは吸熱量と消費電力の商です。このグラフに基づいて、成績係数(効率)を決定し、冷却容量を最大化するとともに、ヒートシンクに放出される熱を最小限に抑えることができます。