サーモモジュールは、ペルチェ素子、または熱電素子とも呼ばれる半導体の電子部品であり、コンパクトなヒートポンプとして機能します。
直流電流を流すと、サーモモジュールの片側からもう片側へと熱が移動します。これを”ペルチェ効果”といいます。この現象により、サーモモジュールの一面が冷却されると同時に、反対の面は加熱されます(下図１参照)。また、直流電源の極性を入れ替えると、この現象が逆転し、今度は逆方向に熱の移動が発生します(下図２参照) 。したがって、サーモモジュールは、使用条件に応じて、冷却および加熱のいずれの目的にも使用できます。その機能により、センサー・制御器と合わせて使用する事で、精密な温度調節も可能となります。
また、サーモモジュールの表裏面に温度差をつけ、電気の取り出しを可能とすることを”ゼーベック効果(下図３参照)”と言います。温度差が大きければ大きい程、取り出す電気も大きなものとなります。
サーモモジュールは、近年注目されている環境発電である熱電発電モジュール（ゼーベック素子）として機能します。これは、火力発電や原子力発電のように、水蒸気によりタービンを回す方式ではなく、熱電発電モジュールの表裏面の温度差により直接発電されるため、環境負荷が小さく、熱源を燃焼させる必要もないことから、CO2削減の一環として今後大きな可能性があります。